NSX for vSphere の 分散ファイアウォール(DFW)の様子を、
vRealize Log Insight(vRLI)を利用してみてみようと思います。
前回は、製品構成を説明しました。
vRealize Log Insight で NSX DFW の Drop を確認してみる。Part.1
今回は、実際に見てみる環境の概要を説明しておこうと思います。
ネットワーク構成と VM 配置。
下記のような簡易的なネットワーク環境を構成しました。
DFW が作用する通信を発生させるため、2台の Linux VM を
アクセス元 VM「vm01」と、アクセス先 VM「ext-vm01」として用意しました。
- ext-vm01 (IP: 192.168.1.223) ※Web サーバ
- vm01(IP: 10.1.10.101)
- 実際は他にも何台か VM あり。
DFW 環境内から外部の Web サーバ(Yum や GitHub なども)にアクセスするようなケースもあるかなと思い、
アクセス先の ext-vm01 では、Web サーバを起動してみました。
ちなみに、ext-vm01 の Web サーバはただ nginx の Docker コンテナを起動しているだけです。
root@ext-vm01 [ ~ ]# ip a show eth0 | grep inet -m 1
inet 192.168.1.223/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic eth0
root@ext-vm01 [ ~ ]# cat /etc/photon-release
VMware Photon Linux 1.0
PHOTON_BUILD_NUMBER=62c543d
root@ext-vm01 [ ~ ]# systemctl start docker
root@ext-vm01 [ ~ ]# docker run -d -p 80:80 nginx
Unable to find image 'nginx:latest' locally
latest: Pulling from library/nginx
e6e142a99202: Pull complete
8c317a037432: Pull complete
af2ddac66ed0: Pull complete
Digest: sha256:72c7191585e9b79cde433c89955547685db00f3a8595a750339549f6acef7702
Status: Downloaded newer image for nginx:latest
925d315458f74068fba33a907e33e4690c448b25646cad585a9f4a766109f842
root@ext-vm01 [ ~ ]#
コンテンツも、ただ Welcome ページが置かれているだけです。
root@ext-vm01 [ ~ ]# curl -s 192.168.1.223:80 | head -n 4
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>Welcome to nginx!</title>
通信経路と、利用するファイアウォール機能。
今回は、すでに vm01 と ext-vm01 が相互に通信可能になるようにルーティングしてある状態です。
NSX で利用できるファイアウォールは、2種類あります。
NSX Edge Service Gateway(ESG)の Edge Firewall
- ESG の VM がもつファイアウォール機能。
- ESXi は関与せず、ESG がファイアウォール仮想アプライアンスとして動作する。
分散ファイアウォール(DFW)
- ESXi の VMkernel がもつファイアウォール機能。
- DFW を有効にしているクラスタで起動する VM の vNIC で作用する。
どちらも vSphere Web Client の NSX 管理画面(Network and Security)から
設定変更することができます。
両方同時に利用することも、片方だけ利用することも可能です。
今回は、Edge Firewall は特に使用せず、DFW だけ扱います。
ちなみに、ESXi がもつ ESXi Firewall もありますが、これは VMkernel の通信を制御するもので、
基本的に VM の通信には作用しないファイアウォールです。
DFW は、VM の vNIC で作用するファイアウォールなので、
ファイアウォールの動作(許可や拒否など)は、ESXi のログとして出力することが可能です。
ESXi はこのログを Syslog 転送することが可能なので、Log Insight に転送して分析 / 可視化することができます。
つづく・・・