本番環境に vSAN を導入するときには厳密にハードウェア互換性などを
確認する必要があります。
しかしその反面、動作確認、機能検証、デモンストレーションといった用途のためであれば
手軽なネステッド環境で vSAN を構築することができます。
そこで今月は1日1回くらい、
ネステッド環境で、さまざまな vSAN を構成してみようと思います。
ソフトウェア バージョンは vSAN 6.7 u1 を利用するつもりです。
ネステッド vSAN と、その構築方法については下記もどうぞ。
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.1。(物理 マシン ESXi ~ VCSA デプロイ)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.2。(物理マシン ESXi と ESXi VM の準備)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.3。(vSAN クラスタ構築)
ネステッド vSAN ラボを構築するための工夫 Part.4。(スクリプトでの簡素化)
1日目は、vSAN の基本操作・動作を確認しやすい
下記の構成のネステッド vSAN を構築してみました。
- ESXi は 4ノード
- ハイブリッド(SSD + HDD)ディスクグループ
- ディスクグループは各ノードで 1つずつ
- 重複排除・圧縮 は無効のまま
- フォールト ドメインはデフォルト構成のまま
- vCenter は vSAN 外部に配置
それでは、構成したネステッド vSAN 環境を
vSphere Cilent でひととおり見てみます。
ネストの外側と、ネストの内側。
ネステッド vSAN を構成する ESXi は、VM です。
「ネストの外側」から実体の VM を見ると、ゲスト OS が VMware ESXi になっています。
一方「ネストの内側」となるハイパーバイザから見ると、
サーバのモデルが「VMware Virtual Platform」です。
ネステッド vSAN で主な画面を眺める。
ネステッド vSAN の UI を表示してみます。
vSAN 6.7 U1 では、基本的に HTML5 版の vSphere Client から
操作できるようになっています。(Flash 版の vSphere Web Client ではなく)
設定 → vSAN → サービス
今回はデフォルトで無効なものは、そのままです。
設定 → vSAN → ディスク管理
各ノードには、1ディスクグループ(キャッシュ用 SSD 1つ、キャパシティ用 HDD 1つ)
が作成されています。
設定 → vSAN → フォールト ドメイン
フォールトドメインはデフォルトのままで特に構成していないので
各ノードそれぞれがフォールトドメインとなっています。
設定 → vSAN → iSCSI ターゲット サービス
vSAN iSCSI ターゲットも無効のままです。
監視 → vSAN → 健全性
ネステッド環境はそもそも商用環境でサポートされておらず
ハードウェア互換性も無視するものなので、そのぶんエラー警告などは表示されます。
そのため検証目的やデモ内容とは直接関係ないものは、わりきって無視します。
監視 → vSAN → 仮想オブジェクト
監視 → vSAN → 物理ディスク
監視 → vSAN → オブジェクトの再同期
監視 → vSAN → プロアクティブ テスト
監視 → vSAN → 容量
vSAN データストアでは、ESXi VM に割り当てた VMDK ファイルの容量が認識されます。
そのため ネステッド ESXi に接続する VMDK をシン プロビジョニングにしておけば、
外側の物理マシンのストレージ容量を超えた、大容量 vSAN のデモ環境も作成できます。
監視 → vSAN → パフォーマンス
監視 → vSAN → パフォーマンス診断
監視 → vSAN → サポート
このように、基本操作や画面確認であれば、
ネステッド vSAN でも、通常の vSAN 同等に利用可能です。
VMware の提供するオンラインのハンズオン ラボでも
ネステッド vSAN が利用されています。
つづく。