今月は1日1回くらい、さまざまな ネステッド vSAN 6.7 U1 を構成してみています。
一連の投稿へのリンクは下記をどうぞ。
昨日はこちら。
ネステッド vSAN 6.7 U1 を楽しむ。2018-12-23
24日目は、22日にも構成した 1ノードの vSAN です。
今回は、vCenter を vSAN 内部に配置しています。
構築の過程で、vCenter(VCSA)のデプロイと同時に配置先 vSAN を構成することで、
一時的に 1ノードの vSAN になるケースがあります。
vSAN-Cluster-20181224 クラスタ
- ESXi は 1ノード
- vCenter は vSAN 内部に配置
vCenter Server Appliance インストーラでの vSAN 構成。
vCenter Server を自身が管理する vSAN データストアに配置する場合に、
以前は、どこか一時的なデータストアに vCenter Server Appliance(VCSA)をデプロイして、
後から vSAN データストアに移動していました。
これは、vSAN の構成に vCenter が必要だったためです。
vSphere 6.7 では、VCSA のインストーラで仮想アプライアンスのデプロイと同時に
vSAN データストアを構成できるようになっています。
Deploying vSAN with vCenter Server Appliance
データストアの選択をする画面で、デプロイ先の ESXi に 1ノード vSAN クラスタを構成できます。
インストーラの画面遷移のなかで、vSAN データストアを構成するデバイスを指定できます。
このデプロイ先の ESXi は、今回は ネステッド ESXi です。
ちなみに、この環境の物理 ESXi には SSD が搭載されており、その上の VMDK による
「mpx.vmhba0:C0:T2:L0」(400GBの方)もフラッシュ デバイスとして認識されています。
このようなケースで、もし HDD として見せたい場合は、
ESXi の Host Client では HDD としてマーク付けができないようなので
ネステッド ESXi に SSH でログインして、esxcli コマンドで SATP ルールを設定します。
一連の VCSA のセットアップ処理が完了すると、
1ノード vSAN には、さらに構成(ノード追加や設定変更)が必要であると表示されます。
vCenter Server Appliance インストーラによる 1ノード vSAN。
インストーラで VCSA がデプロイされた直後の vSAN クラスタです。
- デプロイした vCenter(VCSA): 192.168.1.39
- 下スクリーンショットの vSphere Client は、この VCSAのもの。
- VCSA が稼働する ESXi: 192.168.1.31
VCSA が稼働する ESXi ホストだけで、1ノード vSAN クラスタが構成されています。
相互通信する vSAN ノード(の ESXi ホスト)がいないため、
VMkernel ポートに「vSAN」トラフィックのタグが設定されていない状態でも vSAN として成り立っています。
そこでノード追加をする前に、このホストでも vSAN トラフィックのタグ設定が必要です。
VCSA の VM を見ると、vSAN データストア(vsanDatastore)に配置されていることがわかります。
しかし、仮想マシン ストレージ ポリシーは割り当てられていないようです。
この VM は、ノード追加後に、しかるべき仮想マシン ストレージ ポリシーを適用して
データの冗長性がある状態にする必要があります。
ただし、「vSAN Default Storage Policy」は作成されていて、
vsanDatastore にはデフォルトのポリシーとして設定されています。
ネスト環境での、VCSA インストーラによる 1ノード vSAN。
今回の ESXi ホストは、新規デプロイした vCenter(192.168.1.39)で管理されていますが、
それに対応する ESXi VM は、昨日までの vCenter(192.168.1.30)で管理されています。
ネスト環境で今回の構成を試す場合は、ネストの外側の物理 ESXi ではそれなりに高いスペックが要求されます。
VCSA のデプロイでは最低でも 10GB メモリが必要となるので、
デプロイ先の ネステッド ESXi でも、それを搭載できる容量が必要です。
今回は ESXi VM には 16GB のメモリを割り当てています。
ESXi VM(VCSA デプロイ先の ESXi にする)に割り当てる仮想ディスクも、
そこそこ大容量が必要で、まずシン プロビジョニングにすると思います。
VCSA のデプロイでは、ただテスト VM を作成するよりも容量を多めに消費するので
物理ホスト側のデータストア消費容量には要注意です。
(VCSA のデプロイ処理が途中で失敗すると特に悲しいため)
1ノード vSAN の動作確認をする場合、そもそも 1台は物理マシンがあるので、
2つ以上の物理ディスクが搭載されているのであれば、
あえてネステッド ESXi 上に構成する必要はありません。
それでもネスト環境を利用する場合は、下記のような事情がある場合かと思います。
- 検証のために占有できる物理マシンがない。
- 物理マシンに、搭載ディスク数がたりない。(キャッシュ層 / キャパシティ層むけ)
ただ個人的には、vSAN データストア上に vCenter を配置する場合には
VCSA インストーラを利用するよりも、一時的に vSAN 外部のデータストア
(ESXi をインストールするローカルディスクなど)にデプロイして、
複数ノード の vSAN を構成後に Storage vMotion で移動してしまうことが多いです。
まとめに、つづく。