**** 留意事項 *****
こちらのブログの内容はDECN(Dell EMC Community Network)に投稿されたブログの再掲です。
DECNが近い将来に廃止となるためこちらに移行させていただいております。
内容についてはオリジナルの執筆当時のものとなりますので最新ではない場合がありますがご容赦ください。
Dell EMCではVxRailというHCI製品のサポートを初めて1年以上が経ちますが、ずっと疑問だったことがあります。
本記事のタイトルにもなっている、
どうやって既存のVMware環境からVxRailにVMを移行しているのか?
ということです。
常識的に考えればvMotionをすればいいだけなのですが、VxRailのお客様は、多くの場合VxRailに同梱される無償の内部vCenterを利用しており、それに起因する2つの制限のため簡単に既存環境からvMotionをすることができません。
その制限とは、
1.拡張リンクモードを使用できない (= Cross vCenter vMotion不可)
2.当該VxRail Cluster外のESXi ホストを管理できない (= 通常のvMotionによる移行も不可)
というものです。
※制限事項にはコチラのガイドから参照いただけます。
要するに無償の内部vCenterを利用した構成の場合は、管理の面でほかのVMware仮想環境から独立していなくてはならず(一元管理不可)、vSphereの機能を用いたvMotionはできないということになります。
外部ストレージ(NFS or iSCSI)を用いたCold Migration(仮想マシンのダウンタイムを伴う)であれば可能ですが、大規模なVMの停止を調整するのは難しいと思われますし、仮想マシンのネットワークアダプタの付け替えなども必要になるので作業としても負荷が高くなります。
別途Replication Solution (RP4VMやvSphere Replication/SRM)を利用した移行も可能ですが、こちらの場合でもやはり一時的な仮想マシンの停止が発生してしまいます。
もちろん(お客様提供の)外部vCenterを利用すればこの制限はないのですが、コストと管理不可を最小限に抑えたいというお客様であれば、多くの場合は内部vCenterをご利用されると思います。
※ちなみにですが、内部vCenterから外部vCenter構成に移行することは可能なので、VMの移行の時だけ外部vCenter構成にしてしまえばよい、と考えられるかもしれませんが、残念ながら現状では外部vCenterから内部vCenterへの移行はサポートされていません。
一応Dell EMCの有償サービスリストの中には、既存環境からのVM 移行に相当するサービスがあるのですが、購入されたという話は聞きません。
※どうやって移行するのか詳細を調べてみましたが、Onlineで実施可能なサポートされた手法についての有力な情報は得られませんでした。
過去にはコチラの記事で、非公式ながらも実現可能な移行方法が説明されていましたが、トラブルの際はサポートを受けられないため、実施に踏み切る例は少ないのではないでしょうか。
VxRailはこのような背景があるため、既存環境からの移行はかなり厳しい状況だと思っていたのですが、つい先日以下の公式文書を発見しました。
・Migrating to vSAN
https://storagehub.vmware.com/export_to_pdf/migrating-to-vsan
こちらの文書によると、なんとVxRailと同じ制限がある環境であってもサポートされた手法にて移行が可能になっていました。
以下のブログによると、PowerCLI 6.5 R1よりMove-VM コマンドレットの機能が強化されたことにより可能になったようです。
https://blogs.vmware.com/PowerCLI/2017/01/spotlight-move-vm-cmdlet.html
実際のところコマンドレットの強化は1年以上前で、文書の初版公開も昨年の10月なので ”いまさら”感の濃い内容にはなりますが、
VxRail環境へのVM移行についてPowerCLIのInstall(その②)から実際の移行手順(その③)まで検証環境での実施内容を紹介します。
次回と次々回のリンクは以下です。
既存環境からvSAN 環境へのMigration:その② 【PowerCLIのInstall】