**** 留意事項 *****
こちらのブログの内容はDECN(Dell EMC Community Network)に投稿されたブログの再掲です。
DECNが近い将来に廃止となるためこちらに移行させていただいております。
内容についてはオリジナルの執筆当時のものとなりますので最新ではない場合がありますがご容赦ください。
VxRail環境でInternal VCSA/PSCのバックアップをどうするべきか、という議論をちょくちょく耳にします。
その議論の背景はきっと以下のようなPain Pointによるものでしょう。
- VxRail環境では分散スイッチしかないため、VCSA/PSCがダウンしているとリストアしたVMがネットワークに接続できない
- バックアップソリューションがVCSAやPSCのリストアに対応してない場合がある
- vSphere Data ProtectionがVxRail 4.7 (vSphere 6.7) 以降で使用できなくなり、タダで使えるバックアップソリューションがなくなる
- 競合との兼ね合いで、せめてSystem VMぐらいは標準的なバックアップ/リストアを提供したい
- SnapshotやCloneといったvSAN内部に保存するやり方は静止点の保存に過ぎず、バックアップとは言えない
- 定期的なOVFテンプレートのExportではスマートさに欠ける(サイズも大きくなりがち)
1についてはすでに以下で解説しています。
2~6については、
- VCSA/PSCは、vSphere 6.5から導入されたFile Level Backup/Restoreを使えばバックアップが可能
- VxRail Managerは、VxRail 4.0.400以降で導入されたFile Level Backup/Restoreを使えばバックアップ/リストア可能
- ESRSVE/LogInsightについては、なくても業務影響はなく、また再構築可能なのでバックアップは不要
といった感じになると思います。
問題は本記事のタイトルになっている、
VxRailのInternal VCSA/PSCをFLR(File Level Restore)できるのか?
ということです。
結論から言えば、厳密には可能とはされていません。ただしそれ以外に有効なバックアップ方法がない場合はFile-Level Backupを継続的に取得してください。
可能とされていない、というのはVxRail Managerが提供するVxRail独自の機能(Upgradeや構成変更やモニタリング)との互換性が検証されていないからです。
とはいえ、VxRail独自機能はvSANの可用性や仮想マシンの稼働とは関係がありません。
仮にVxRail Managerの機能が失われたとしても、緊急時であればFile Level Restoreを実施するべきです。
実際に、本当にVxRailとしての復旧が困難となった場合(vSANとしては問題なく稼働)でも、結局はVMを安全に退避するためにvCenterが必要となります。
ゼロからVCSA/PSCを構築しなおすことも不可能ではありませんが、それであればFile Levelバックアップから戻したほうがいいです。
なので、File Levelバックアップであっても必ず取得してvSANの外に保存しておくべきです。
なお、VxRail Manager VMが復旧困難となった場合は、再デプロイが不可能ですので、Cluster Reset以外の復旧方法がありません。
VxRail Manager VMのバックアップも忘れずに取得してvSANの外に保存をお願いします。