ここまでの投稿では、NSX-T 2.5 の Simplified UI で NSX-T のラボ環境を作成してきました。
今回は、ここまで作成したオブジェクトを削除して、元の状態に戻してみます。
一連の投稿(ここで削除していく環境の構築)はこちら。
自宅ラボで NSX-T 2.5 環境を構築する。Simplified UI 編。Part.1
ちなみに、Simplified UI (の「ネットワーク」)で作成したオブジェクトのみ削除対象として、
その前提として作成ずみだった Edge や トランスポート ゾーンなどのオブジェクトは、ここでは削除しません。
削除手順もすべて「ネットワーク」画面を利用します。
1. オーバーレイ セグメントの削除。
まず、オーバーレイ セグメントを削除します。
あらかじめ、仮想マシンの vNIC は、標準/分散ポートグループの割り当てに変更しておきます。
「ネットワーク」→「セグメント」→「セグメント」を開くと、
この環境に 2つのオーバーレイ セグメントと、1つの VLAN セグメントが作成されていることがわかります。
ここではオーバーレイ セグメントのみ削除して、VLAN セグメントは最後に削除します。
※この環境では、Tier-1 ゲートウェイに接続されていることでもオーバーレイ セグメントが見分けられます。
まず、1つめのオーバーレイ セグメントを削除します。
セグメントに限らず、オブジェクトの削除では次のような確認画面が表示されます。
「削除」をクリックすると実際に削除されます。
※以降のオブジェクト削除では割愛しますが、同様にこのような確認画面があります。
オブジェクトの削除に成功すると、緑のメッセージが表示されます。
削除直後のオブジェクトはグレーアウト表示になることがありますが、
その場合は少し待って「更新」ボタン(画面の下のほう)をクリックすると消えます。
ちなみに、削除に失敗した場合は、次のような赤いメッセージが表示されます。
(ただし、この例はセグメントではなくDHCP サーバです)
削除対象のオブジェクトが参照されている(別のオブジェクトに接続されている)ような場合は、
先に参照しているオブジェクトを削除しておく必要があります。
同様に 2つめのオーバーレイ セグメントも削除して、VLAN セグメントだけが残った状態です。
2. DNS フォワーダ サービスの削除。
DNS サービス(フォワーダ)を削除してから、DNS ゾーンのオブジェクトを削除します。
「ネットワーク」→「DNS」→「DNS サービス」を開いて、
DNS サービスを削除します。
そして、DNS ゾーンを削除します。
3. Tier-1 ゲートウェイの削除。
環境構築では、DHCP サーバと DNS サービスを続けて作成しました。
DHCP サービスは Tier-1 ゲートウェイから参照されるオブジェクトのため、先に Tier-1 ゲートウェイを削除します。
「ネットワーク」→「Tier-1 ゲートウェイ」で削除します。
4. DHCP サーバの削除。
Tier-1 ゲートウェイを削除したことで、DHCP サーバが削除できるようになります。
「ネットワーク」→「DHCP」で削除します。
5. NAT ルールの削除。
Tier-0 ゲートウェイに作成した SNAT ルールは、Tier-0 ゲートウェイより前に削除します。
「ネットワーク」→「NAT」で Tier-0 ゲートウェイを選択すると表示される、SNAT ルールを削除します。
6. Tier-0 ゲートウェイの削除。
Tier-1 ゲートウェイが削除できたので、そこに接続されていた Tier-0 ゲートウェイを削除します。
Tier-0 ゲートウェイにはスタティック ルートを設定していますが、
Web UI での削除では、同時に自動削除されます。
7. VLAN セグメントの削除。
NSX-T 環境への境界になる Tier-0 ゲートウェイを削除したので、最後に VLAN セグメントを削除します。
「ネットワーク」→「セグメント」→「セグメント」で削除します。
オブジェクトの削除では、NSX-T の Simplified UI でも従来 UI と同様に、
オブジェクト同士の参照関係を考慮して削除する必要があります。
デモやトレーニングなどで何度か環境構築を繰り返す場合は、
REST API などを利用したオブジェクト削除スクリプトなど作成しておくと便利です。
また、ネステッド ESXi 環境の NSX-T であれば、
NSX-T でオブジェクトをひとつずつ削除するよりも、VM スナップショットなどを利用した
環境リセットのほうが現実的かなと思います。
※この場合、vCenter / NSX-T Manager / ESXi VM といった一連の VM で、同時点のスナップショットを取得しておきます。
以上、NSX-T 環境を破壊してみる話でした。