今年も、日本の vExpert 有志による Advent Calendar をやります。
この投稿は、vExperts Advent Calendar 2019 - Adventarの 1日目です。
1日目なので、多くの人が利用しているであろう vCenter Server にかかわる Tips を紹介します。
最近の vCenter Server の「vSphere Client」について。
これまで、vCenter Server(以降は vCenter)で仮想化基盤を管理するツールは何度か刷新されています。
簡単にまとめると、つぎのようになります。
- もともと C#版の「vSphere Client」があった。(vSphere 6.0 まで)
- Flash(FLEX)を利用する「vSphere Web Client」が vSphere 5.1 で登場したが、6.7 より後は廃止予定。
- HTML5 版の「vSphere Client」が vSphere 6.5 で登場。基本的に vCenter 6.5 以降ではこの vSphere Client を利用する。
これまでの改善の様子: vSphere Client の機能の更新
もう廃止される予定の vSphere Web Client については、
vCenter 6.7 U3 では vSphere Web Client のリンクに赤字で「廃止」と明記されました。
(とはいっても、vCenter 6.7 U3 でも、まだ使用できます)
vCenter 6.7 U3 の vSphere Web Client / vSphere Client のログイン画面です。
この画面は vSphere Web Client / vSphere Client で共通です。
vSphere Web Client にログインすると、
vSphere Client へ誘導するメッセージが表示されています。
一方、HTML5 版の vSphere Client のデプロイ直後の vCenter の画面です。
最近の VMware 製品の Web UI は、Clarityというフレームワークを利用しており、
だいたい統一感のあるデザインになっています。
今回の vCenter 環境について。
前掲のスクリーンショット「ビルド 14792544」と表示されているので、
2019年12月01日の時点で最新バージョンである「vCenter Appliance 6.7 Update 3a (6.7.0.41000)」です。
vCenter のバージョンとビルド番号は、下記 KB の「Client/MOB/vpxd.log」で確認できます。
Build numbers and versions of VMware vCenter Server (2143838)
https://kb.vmware.com/s/article/2143838
ちなみに今回の vCenter は、昨年のアドベントカレンダー投稿とおなじく CLI でデプロイしています。
昨年の Advent Calendar の投稿:
vCenter 6.7 u1 の HTML5 vSphere Client をクリスマス風にしてみる。
今年の JSON: 最近、便利なので "__comments" にデプロイのコマンドラインをメモしています。
vCenter の「今日のメッセージ」設定。
それでは、今日時点で最新の vSphere Client での Tips です。
vSphere による仮想化基盤では、システム管理者は頻繁に vSphere Client にログインするはずです。
そこで、システム管理者に対してメッセージを贈ってみます。
製品ドキュメント:
vCenter のインベントリにて、
vCenter → 「設定」 → 「今日のメッセージ」を開いて、「編集」ボタンをクリックします。
そして、「今日のメッセージの編集」にメッセージを記入して「OK」をクリックします。
vSphere Client から、一度ログアウトします。
vSphere Client にログインしなおすと、画面上部の青帯に、メッセージが表示されています。
(しかし、そんなに目立たない気もします。)
このメッセージは vCenter の「詳細設定」にある vpxd.motd に設定されます。
motd は、message of the day の略です。
ちなみに、このパラメータは PowerCLI / API だと Read Only で設定できなそうです。
あと、etc.motd のほうは vSphere Client ではなくコンソール / SSH のログイン メッセージ設定です。
vCenter Single Sign-on のメッセージ設定。
ただこれでは、メッセージに気づかないユーザもいるかもしれません。
そこで、もうすこしインパクトの強いメッセージ発信をしてみます。
先ほどのメッセージは、「vCenter Server」のもつメッセージ機能でした。
ここからは、vCenter の別コンポーネントである「Platform Services Controller」(PSC)のもつ
vCenter Single Sign-on のメッセージ機能を利用してみます。
製品ドキュメント:
PSC の設定は、vSphere Client の「管理」メニューから実施します。
Single Sign-On 配下の「設定」→「ログイン メッセージ」タブで、
「編集」をクリックします。
「ログイン メッセージの表示」を On にして、
「ログイン メッセージ」と「ログインメッセージの詳細」を記入してから「保存」します。
そして vSphere Client をログアウトすると・・・
vSphere Client の(PSC による)ログイン画面に、メッセージが表示されます。
メッセージのリンクをクリックすると、メッセージの詳細が表示されます。
・・・ただ、これだけだと、先ほどのメッセージより主張が弱いと感じるかたも多いと思います。
さらに、PSC のメッセージ機能では「承諾チェックボックス」を設置できます。
なお、Advent Calendar 紹介メッセージでこの設定を有効にするのはアレなので、ここからはメッセージを変更しています。
検証環境などでありがちな「このラボは2019/12/25に廃止予定です。」といったメッセージを設定しました。
これでログイン画面には、メッセージだけでく、
チェックを On にしないとログインできなくなる「次に同意します」チェック ボックスが表示されます。
チェック ボックスを Off にしたままだと、下記のように追加でメッセージが表示され、ログインできません。
「次に同意します」チェックボックスの隣のメッセージをクリックすると、
さきほどと同様に、メッセージの詳細が表示されます。
チェックを On にすることで、ログインできるようになります。
メッセージを工夫すれば、さまざまな使い道がありそうです。
以上、vCenter の Tips でした・・・
明日の vExperts Advent Calendar 2019 - Adventarは、Kaneda Naoyuki さんです。よろしくお願いします。