自宅ラボの vSphere を眺めていたら、クラスタの vMotion 数がいい感じに増えていました。
そこで vMotion と DRS の様子を、vCenter Server と vRealize Operations Manager(vROps) で
観察する Tips を紹介しようと思います。
今回の環境は、vCenter 6.7 U3 + vROps 8.0 です。
vCenter / vSphere Client での vMotion 観察。
まず、クラスタでの vMotion 数についてです。
vCenter Server では、クラスタごとに vMotion 実行数を記録しています。
自宅ラボのクラスタ「infra-cluster-01」では、これまで 45781 回の vMotion が実行されたことがわかります。
このクラスタでは vSphere DRS が有効化されており、ほとんどの vMotion は自動実行されたものです。
検証環境なので使用リソース増減も激しく、結構頻繁に vMotion が発生します。
vMotion の合計移行回数は、vSphere Client のパフォーマンス チャートでも表示できます。
対応しているカウンタは、クラスタの「仮想マシン操作」→「vMotion 数」です。
直近1年間の、vMotion の積み重ねが可視化されました。
いい感じに自宅ラボが使われていそうな気がします。
しかし、パフォーマンス チャートの情報は一定期間ごとにロールアップされてしまうため、
vCenter だけでは詳しく vMotion の様子を確認しにくいかなと思います。
そこで、vRealize Operations Manager(vROps)でも、
このクラスタでの vMotion の様子を見てみます。
vRealize Operations Manager での vMotion 観察。
vROps を利用すると、過去にさかのぼって一定間隔ごと(最短で5分間隔くらい)の vMotion 数が確認できます。
これで、クラスタで普段と異なる動きがないか確認することもできます。
2月23日あたりのグラフ上昇は、自宅ラボの ESXi を1台ずつローリング アップデートしたため vMotion が特に増えています。
※残念ながらこの vROps は最近デプロイしたもので1年間の情報が蓄積されていないため、年間通してのチャートは表示しません。
さらに、vMotion が DRS によるものか、それ以外(手動 vMotion)なのかも可視化できます。
赤枠内の紫線のところだけは、DRS ではない手動 vMotion のはずです。
おまけとして・・・
本来の利用方法ではないと思いますが、VM がどの時間帯に、どの ESXi ホストにいたかをチャートに表示することもできます。
VM(例では lab-rancher-01)の「メトリック」で、「サマリ」→「親ホスト」のチャートを表示すると、
時系列で VM がどの ESXi で稼働していたか確認することができます。
ただし、ESXi がチャートの縦軸で表現されているので、ESXi 台数が多くなると見にくいかもしれません。
この例の VM は、5台 の ESXi (クラスタは 6ノードですが)の間だけで移動しています。
DRS / vMotion の観察方法はいろいろあり、vCenter のイベント情報や他の vRealize 製品でも違った見方ができます。
今回は、あえて GUI で簡単に確認できそうな方法を選択してみました。
以上、vMotion 観察の Tips 紹介でした。