vCenterとSDDC Managerの内部管理用PostgreSQL DBMSのDB Dumpを、ローカルのPostgreSQL DBMSにインポートする手順の第二回です。
本記事は以下の記事の続きに当たります
vCenterとSDDC ManagerのDBをローカルPCにインポートする方法【DBダンプ取得方法】
また次回の記事は以下です。
vCenterとSDDC ManagerのDBをローカルPCにインポートする方法【DBをインポートして閲覧する】
第一回の記事では、インポートするDBのDump取得を説明しました。
今回の記事ではローカルPC(Windows PC)にPostgreSQLをInstallする方法を説明します。
PostgreSQLをWindows PCにどのように構築するか
Install自体は難しい作業ではありません。ググればいくらでも手順紹介記事が出てくると思いますし、Installerの入手もたやすいです。
ただし、目的ではDBの一般的な使い方とは異なり、あくまでもDumpされたDBの静止点を閲覧するためだけの用途になります。
そのため、ふつうにInstallするよりも、簡単に削除やResetや再構築が可能な環境となることが望ましいです。
PostgreSQLに限らず、アプリケーションを普通にIntallしてしまうと、レジストリや環境変数などがいじられてしまい、アンインストールしたとしても残滓が完全に消しきれない場合などもあります。なによりInstallすること自体にちょっと懸念がある場合も考えられます。
そこで、今回はPostgreSQLのポータブル版を利用することにしました。
ポータブル版であればレジストリや環境変数などに依存せず、インストール場所を指定し、実行ファイルを実行するだけで利用可能になります。
USBメモリなどにインストールして、持ち運び可能なDBにすることもできますし、削除やResetがしたいくなった場合はInstall フォルダを削除するだけでOKです。
もちろん、通常インストーラでインストールしても問題ありません。
この記事では通常のインストーラでのインストール方法は説明しませんので、そちらを実施される場合はググっていただければ記事がたくさん出てくると思います。
通常手順でInstallされる場合は、以下の記事の内容は必要ありませんので、第三回にスキップしてください。
vCenterとSDDC ManagerのDBをローカルPCにインポートする方法【DBをインポートして閲覧する】
ポータブル版のPostgreSQLをダウンロードする
本記事ではあえてダウンロード先のURLを示しません。
https://www.postgresql.org/download/ではポータブル版が公開されていなかったからです。
ググればPortable 版のPostgreSQLのダウンロードリンクが容易に見つかるとは思いますが、安全性については各自の責任でお願いいたします。
またダウンロードするPostgreSQLのVersionについては、目的とする環境と同じか、最も近いものが良いと思います。
ポータブル版をInstallする
ダウンロードする際にZipやtar.gzなどもあると思いますが、paf.exe 形式のものがあればこれを利用するのが一番容易だと思います。
こちらの実行ファイルをダウンロードして実行すればWizardが現れますので、ダウンロード先のフォルダを選択すれば解凍してすぐに使えるようになります。
ポータブル版を起動する
ポータブル版のインストールしたフォルダに実行ファイルがありますのでそちらを起動してください。
起動すると自動的にDBのイニシャライズが開始されて、
Initialising database for first use, please wait...
といったメッセージがひょうじされます。数分とたたずに利用可能な状態になります。
以下のようなメッセージが出てpostgres=#と出れば完了しています。
'postgres' connected on port 5432. Type \q to quit and shutdown the server.
psql (10.4)
WARNING: Console code page (1252) differs from Windows code page (932)
8-bit characters might not work correctly. See psql reference
page "Notes for Windows users" for details.
Type "help" for help.
postgres=#
試しに \l と入力して、イニシャライズ直後のDBのリストを見てみましょう。
※\l は¥マーク(バックスラッシュ)と、アルファベット小文字のL(エル)です。
postgres=# \l
List of databases
Name | Owner | Encoding | Collate | Ctype | Access privileges
-----------+----------+----------+---------+-------+-----------------------
postgres | postgres | UTF8 | C | C |
template0 | postgres | UTF8 | C | C | =c/postgres +
| | | | | postgres=CTc/postgres
template1 | postgres | UTF8 | C | C | =c/postgres +
| | | | | postgres=CTc/postgres
(3 rows)
postgres=#
こんな感じになっているはずです。
DB管理ツールをInstallする
通常PostgreSQLをInstallするとpgadminという管理用GUIも一緒にInstallされますがポータブル版にはpsqlのコマンドラインしかInstallされません。
そのため、別途pgadminをInstallすることをお勧めします。
pgadminはGUIでDBを管理したり閲覧したりできるツールなのでSQL文が苦手な人だけでなく、DBの構造を俯瞰したり、ちょろっとDB内の値をいじりたい場合などに便利です。
pgadminは以下からダウンロード可能です。
↑のサイトのダウンロードページからWindows用のInstallerを選んでInstallすればOKです。特に難しい点はないので一直線の作業です。
pgadminを起動してDBに接続する
インストールしたpgadminを起動すると、ブラウザが起動して自動的にローカルのpgadminのプロセスに接続されます。
↑のような画面がでれば成功です。
次に、左側の枠内のあるServersのところを右クリックしてCreate > Server...を選びましょう
設定ウィザードが出るので、General タブのNameの項目に任意の名前を入れましょう。
次にConnectionタブのHostのところにlocalhostと入力して、残りはすべてデフォルトのままSaveボタンを押してください。
Saveが完了すると左側の枠に表示が現れます。
展開するとDB内の構造や中身の情報を見ることができます。
ためしにDatabaseを一つ追加してみましょう。
Databasesのところを右クリックしてCreate->Database....を選んでください。
GeneralタブのDatabaseに任意の名前を入れて、Saveして下さい。
Saveが完了すると新しいDatabaseが現れます。
PSQLのコマンドでも作成したDatabaseを確認してみましょう。
先ほどの出力と比べるとtestdbがリストに追加されたことがわかります。
pgadminでは、DBに対する様々な操作が可能ですが、その他の操作や閲覧方法については、以下の外部記事がとても分かりやすかったのでこちらをご参考にしていただければと思います。
https://itsakura.com/pgadmin4-db-create
pgadminの停止方法
pgadminはちょくちょく動作がおかしくなることがあります。
そういう場合はpgadminを再起動すればよいです。
タスクトレイにpgadminの象さんのマークがあるので、それを右クリックしてShutdown Serverを選んで停止し、改めて起動してください。
今回はPostgreSQL DBMSのInstallとGUI管理ツールであるpgadminを紹介しました。
次回では実際にDumpしたDBをインポートして、内容を確認する作業を説明します。