ESXi 5.5 を Intel NUC にインストールすると、残念ながら Intel NIC のドライバが当たりません。
そこで、下記のサイトで公開してくれているドライバを使用してインストールしてみました。
Virten.net
ESXi 5.x Installation on Intel NUC fails with “No Network Adapters”
http://www.virten.net/2013/09/esxi-5-x-installation-on-intel-nuc-fails-with-no-network-adapters/
ドライバが下記のようにVIBオフラインバンドルとして公開されています。
Intel Driver (net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip) (3rd Gen NUC)
今回ためした環境は下記です。
- Intel NUC DC3217IYE(CPUはIntel Core i3-3217U。オンボードNICは Intel 82579V)
- VMware ESXi 5.5.0 build-1331820
- PLEXTOR M5M 64GB(NUCに増設した mSATA 接続のSSD)
http://www.goplextor.com/jp/index.php/m5m - ESXiのインストール先は、SunDiskのUSBメモリです。
- ドライバはPowerCLI (Image Builder) で ESXi の ISO イメージに追加。
1. NICドライバ追加した ISOファイルを作成する。(PowerCLI ImageBuilder)
今回は、ドライバのVIBが組み込まれた ESXi インストーラを ISOイメージファイルとして作成してみました。
ここでは、PowerCLI に含まれる Image Builder を使用しています。
前回 Image Builder についてポストしたので参考にしてください。
事前に、ESXi のオフラインバンドル(ZIP形式の ESXi インストーラ。MyVMware からDL)と
上記のサイト(Virten.net)から DL したドライバ オフラインバンドルを C:\temp フォルダに配置しています。
PowerCLI C:\Program Files (x86)\VMware\Infrastructure\vSphere PowerCLI> cd C:\temp
PowerCLI C:\temp> (Get-PowerCLIVersion).UserFriendlyVersion
VMware vSphere PowerCLI 5.1 Release 2 build 1012425 ★PowerCLI バージョンは「5.1 R2」PowerCLI C:\temp> ls
ディレクトリ: C:\temp
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a--- 2013/12/31 10:22 2817910 net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip
-a--- 2013/10/18 23:37 337919930 VMware-ESXi-5.5.0-1331820-depot.zip
2つのオフラインバンドルを、両方とも Image Builder のソフトウェア デポに追加します。
ちなみに、Image Builder のソフトウェア デポ はPowerCLI を一度終了すると初期化されるので
PowerCLI のウインドウを起動しなおせばイメージ プロファイル作成をやりなおすことができます。
PowerCLI C:\temp> Add-EsxSoftwareDepot VMware-ESXi-5.5.0-1331820-depot.zip,net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip
Depot Url
---------
zip:C:\temp\VMware-ESXi-5.5.0-1331820-depot.zip?index.xml
zip:C:\temp\net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip?index.xml
「VMware-ESXi-5.5.0-1331820-depot.zip」から読み込まれたイメージ プロファイルを確認します。
今回は、「ESXi-5.5.0-1331820-standard」を使用します。
PowerCLI C:\temp> Get-EsxImageProfile
Name Vendor Last Modified Acceptance Level
---- ------ ------------- ----------------
ESXi-5.5.0-1331820-standard VMware, Inc. 2013/09/19 6... PartnerSupported
ESXi-5.5.0-1331820-no-tools VMware, Inc. 2013/09/19 6... PartnerSupported
「net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip」から読み込まれたVIBパッケージを確認します。
有志のかた? が作成したドライバなので、Vendorが「VMware」ではないものに絞って表示します。
ここで表示される「net-e1001e」が今回ISOファイルに追加するNICドライバの名前です。
PowerCLI C:\temp> Get-EsxSoftwarePackage | where {$_.Vendor -ne "VMware"} | ft -AutoSize
Name Version Vendor Creation Date
---- ------- ------ -------------
net-e1001e 1.0.0 Chilly 2011/11/16 18:35:52
ISOファイルを作成します。
今回は、下記のコマンドレットの処理を パイプでつなげて 1行で実行してみました。
- New-EsxImageProfile で ESXi-5.5.0-1331820-standard から ESXi-5.5.0-1331820-forNUC というイメージプロファイルを作成。
- Add-EsxSoftwarePackage で net-e1001e というVIBをイメージプロファイルに追加。
- Export-EsxImageProfile でイメージプロファイルから VMware-ESXi-5.5.0-1331820-forNUC.iso というISOファイルを作成。
ISOファイルを作成後、ls コマンドでISOファイルが作成されたことがわかります。
PowerCLI C:\temp> New-EsxImageProfile -CloneProfile ESXi-5.5.0-1331820-standard -Name ESXi-5.5.0-1331820-forNUC -Vendor gowatana -AcceptanceLevel CommunitySupported | Add-EsxSoftwarePackage -SoftwarePackage net-e1001e | Export-EsxImageProfile -ExportToIso -FilePath VMware-ESXi-5.5.0-1331820-forNUC.iso
PowerCLI C:\temp> ls
ディレクトリ: C:\temp
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a--- 2013/12/31 10:22 2817910 net-e1001e-1.0.0-offline_bundle.zip
-a--- 2013/10/18 23:37 337919930 VMware-ESXi-5.5.0-1331820-depot.zip
-a--- 2013/12/31 13:25 344199168 VMware-ESXi-5.5.0-1331820-forNUC.iso
2. USBメモリへのESXi インストール
今回は何度もESXiを再インストールするつもりだったので
ISOファイルを作成するたびにCD/DVDに焼くのは大変かなと思いました。
そこで、VMware Workstation 9 で ESXi 5 の VM に USBメモリを接続してインストールしました。
ESXi 5.5 の VM には下記の設定が必要です。
※つまりVMを起動させる VMware Workstation のPC にはこのVM以上のスペックが必要です。
- ゲストOSの種類は「VMware ESXi 5」を選択
- プロセッサ(vCPU)は 2つ以上必要
- メモリは4GB以上必要(ESXi 5.1 なら 2GB以上)
- USBメモリは 8GBくらいあれば十分です。
VM 作成時に追加される仮想ハードディスクは、USBにインストールするときには邪魔なので削除しました。
仮想CD/DVDドライブにISOイメージファイルを指定して、「起動時に接続」されるようにしておきます。
VM が USBデバイスを認識できるようにしておきます。
ISOファイルで起動すると、Image Builder で指定したプロファイルの名前が表示されます。
インストールを進める途中、インストール先ディスクの選択画面で USB メモリが表示されます。
USB メモリが認識されていない場合は「F5」キーでデバイスを再スキャンします。
3. USBブートで、NUC で ESXi を起動する。
ESXi のインストールが完了したら、VM を停止して Workstation のPCからUSB メモリを抜き、
それを NUC に接続して電源投入します。
とくに NUC でブートデバイスを変更していなければ、そのまま ESXi が起動してきます。
4. NUC にインストールした ESXi での NIC と SSD の認識確認。
ESXi に コンソール(ディスプレイモニタ) or SSH で接続して確認します。
ESXi 5.5 がインストールされています。
~ # vmware -v
VMware ESXi 5.5.0 build-1331820
ISOファイルに追加した NICのドライバ(net-e1001e)がインストールされています。
~ # esxcli software vib get -n net-e1001e
Chilly_bootbank_net-e1001e_1.0.0
Name: net-e1001e
Version: 1.0.0
Type: bootbank
Vendor: Chilly
Acceptance Level: CommunitySupported
Summary: Driver for Intel 82579LM and 82579V
Description: Driver for Intel 82579LM and 82579V
ReferenceURLs:
Creation Date: 2011-11-16
Depends: vmkapi_2_0_0_0, com.vmware.driverAPI-9.2.0.0
Conflicts:
Replaces:
Provides:
Maintenance Mode Required: True
Hardware Platforms Required:
Live Install Allowed: False
Live Remove Allowed: False
Stateless Ready: True
Overlay: False
Tags: driver, module
Payloads: net-e100
NIC(vmnic0)と ストレージコントローラ(vmhba0)はESXi から認識されています。
~ # lspci
0000:00:00.0 Bridge: Intel Corporation 3rd Gen Core processor DRAM Controller
0000:00:02.0 Display controller: Intel Corporation 3rd Gen Core processor Graphics Controller
0000:00:16.0 Communication controller: Intel Corporation 7 Series/C210 Series Chipset Family MEI Controller #1
0000:00:19.0 Network controller: Intel Corporation 82579V Gigabit Network Connection [vmnic0]★NICを認識している。
0000:00:1a.0 Serial bus controller: Intel Corporation 7 Series/C210 Series Chipset Family USB Enhanced Host Controller #2
0000:00:1b.0 Multimedia controller: Intel Corporation 7 Series/C210 Series Chipset Family High Definition Audio Controller
0000:00:1d.0 Serial bus controller: Intel Corporation 7 Series/C210 Series Chipset Family USB Enhanced Host Controller #1
0000:00:1f.0 Bridge: Intel Corporation QS77 Express Chipset LPC Controller
0000:00:1f.2 Mass storage controller: Intel Corporation Panther Point AHCI Controller [vmhba0]★SSDを接続したコントローラ。
0000:00:1f.3 Serial bus controller: Intel Corporation 7 Series/C210 Series Chipset Family SMBus Controller
vmhba0 には PLEXTOR のデバイス(SSD)が接続されています。
※みづらいのでgrepしています。
~ # esxcli storage core path list | grep -e Runtime -e Device: -e Transport: -e "^$"
Runtime Name: vmhba32:C0:T0:L0
Device: mpx.vmhba32:C0:T0:L0
Transport: usb
Runtime Name: vmhba0:C0:T0:L0
Device: t10.ATA_____PLEXTOR_PX2D64M5M2B_______________________P02342114071________
Transport: sata
今回の環境では、
PLEXTOR の SSD は ESXi からも SSD として認識されています。(Is SSD: true)
SanDisk の USBメモリは、ESXi のインストール領域として使用しています。(Is Boot USB Device: true)
~ # esxcli storage core device list | grep -e Path -e Vendor -e Model -e SSD -e Boot -e "^$"
Devfs Path: /vmfs/devices/disks/t10.ATA_____PLEXTOR_PX2D64M5M2B_______________________P02342114071________
Vendor: ATA
Model: PLEXTOR PX-64M5M
Is SSD: true
Is Boot USB Device: false
Devfs Path: /vmfs/devices/disks/mpx.vmhba32:C0:T0:L0
Vendor: SanDisk
Model: Cruzer Fit
Is SSD: false
Is Boot USB Device: true
5. vSphere Client からの SSD 認識確認。
vSphere Client からESXi に接続してみても SSD が認識されていています。
そして SSD には VMFS データストアを作成することができます。
VMFS データストアが作成できました。
以上、Intel NUC に ESXi 5.5 をインストールしてみる話でした。