Windows 版 vCenter 5.1 で複数コンポーネントをまとめて1台のサーバにインストールできる、
「Simple Install」 の実施例です。
※vCenter 5.5 だとまた事情がちょっと変わるので、5.1 のときだけ参考にしてください。
今回の構成
- vCenter は 5.1 Update 1
- OS: Windows Server 2008 R2 SP1
- HWスペック: vCPU数2、メモリ8GB (ゲストOSです)
- vCenter のコンピュータ名: vcenter51u1-2 (FQDN はvcenter51u1-2.vmad.local)
- AD のドメイン名: vmad.local (VMAD)
- インストール実行ユーザは、AD ドメインのAdministratorです。(VMAD\Administrator)
今回の例では、「vCenter 5.1 Update 1」を使用していますが、
「5.1 Update 1c」や「5.1 Update 2」でもそんなに変わらないと思います。
※vCenter 5.1 は、できるだけ最新版がお勧めです。(いろいろバグ修正されているので)
1. Simple インストール準備
インストール開始前に、とくに下記の2点は要注意です。
★1 ログオンユーザを確認しておく。
Active Directory のユーザを vCenterSSO 認証で使用する場合は、
Simple Install を開始する際に、ドメインユーザでログインしておきます。
※これにより、ADドメインを vCenerSSO に自動登録できます。
ログオンユーザがローカルユーザかADユーザか分からない場合、
(たとえば既に Administrator ユーザでログオンしているが
ローカルの Administrator か AD ユーザの Administrator か不安な場合)は
下記のように、環境変数などからも確認できます。
※コマンドプロンプトを起動して、set コマンドで環境変数を表示してみます。
Windows ローカルユーザでログインしている場合
下記のように、ログオンサーバ(Windows環境変数のLOGONSERVER)が、
インストール対象サーバのコンピュータ名になります。
この場合は、AD ユーザで Windows にログインしなおした方がよいです。
CMD> hostname
vcenter51u1-2
CMD> set LOGONSERVER
LOGONSERVER=\\VCENTER51U1-2 ★コンピュータ名と同じなのでNG。
AD ユーザでログオンできている場合
下記のように、ログオンサーバがインストール対象サーバのコンピュータ名ではなく
AD(ドメインコントローラ)のコンピュータ名になります。
※例では「LAB-DC1」というドメインコントローラの AD ユーザでログインしています。
CMD> hostname
vcenter51u1-2
CMD> set LOGONSERVER
LOGONSERVER=\\LAB-DC1
★2 vCenter をインストールするサーバが名前解決できることを確認しておく。
vCenter 5.1 のインストールでは、サーバの名前解決ができる必要があるので
vCenter の FQDN を IP アドレス に名前解決できることを確認しておきます。
ただし、既に Windows が AD参加 できていればそんなに問題にならないはずです。
※AD も DNS での名前解決を前提としているので・・・
名前解決できるかどうかは、下記のように nslookup コマンドなどで確認します。
CMD> nslookup vcenter51u1-2.vmad.local
サーバー: lab-dc1.vmad.local
Address: 192.168.5.210
名前: vcenter51u1-2.vmad.local
Address: 192.168.5.72
インストール処理中に下記のような警告が表示されることがありますが、
ちゃんと名前解決できることが確認できていれば無視できます。
2. Simple インストール
vCenter のインストールメディアから、Simple Install を開始します。
画面にしたがって、進めます・・・
vCenter SSO の 管理ユーザ(admin@System-Domain )のパスワードを設定します。
パスワードに特殊文字を使用する場合は要注意です。
「Error 29133. Administrator login error.」エラーにより vSphere 5.1 Single Sign On (SSO) のインストールに失敗する (2042672)
http://kb.vmware.com/kb/2042672
vCenter SSO 用のデータベースを指定します。
ここでは 同梱のSQL Server (ローカルの~)を選択します。
※vCenter Server 用のデータベースは、これとは別に後で指定します。
vCenter SSO のデータベースユーザに、パスワードを指定します。
同梱のSQL Server を使用する場合は、DB も この DB ユーザも自動作成されます。
ちなみに vCenter SSO 5.1 では RSA社のコンポーネントを使っているようで、
ユーザ名が 「RSA_~」です 。RSAェ…
インストールする vCenter の完全修飾ドメイン名(FQDN)を入力します。
※基本的には自動入力されているので、それでよいはずです。
※この名前がちゃんと IP アドレスに解決できる必要があります。
名前解決の警告が出ることがあります。が
ちゃんと名前解決できていれば、無視して大丈夫です。
セキュリティ サポート プロバイダー インターフェイス サービス の実行ユーザを指定します。
デフォルトのまま次へ・・・
これは、vCenter SSO の一部としてインストールされる
Windows サービス「RSA SSPI Service」の実行ユーザとして指定されます。
「vCenter Single Sign On のプライマリノードと同じアカウントの仕様を推奨します」
という注記は、Simple Install では vCenter SSO が1台になるはずなので無視してよいです。
インストール先を指定します。これもできる限りデフォルトのままがよいと思います。
vCenter SSO で使用する(Lookup Serviceの)ポート番号を指定します。
これもデフォルトのまま(7444)にします。
Simple Install の処理を開始します。が、このあともウィザードは続きます。
インストール処理がしばらく続きます。
vCenter SSO や、SQL Server がインストールされます。(ここが休憩ポイントです・・・)
しばらくすると、vCenter 関連のウィザードが表示されます。
※Inventory Service については、特に個別のウィザードは出てきません。
ライセンスキーを入力して進めます。
※入力しないと評価版になりますが、後からでも入力可能です。
vCenter Server の Windows サービス実行ユーザを指定します。
※vCenter の管理者ユーザを指定するものではなく、サービスの実行ユーザを指定します。
完全修飾ドメイン名(FQDN)は、基本的に自動入力されるので、それでよいはずです。
vCenter でも、同梱のSQL Server を使用します。
vCenter でも名前解決の警告が出ることがありますが、
これも、実際に名前解決ができているのであれば無視します。
vCenter 関連サービスのポート番号を指定します。これもデフォルトで・・・
vCener のコンポーネントの一部が使用する Java VM のメモリサイズを指定します。
インストールを開始します。
しばらく待つと、インストールが完了します。
3. Web Client のインストール
Web Client は vCenter 5.1 の Simple Install に含まれないので、個別にインストールします。
スペースの都合により省略します・・・(ちなみに殆どデフォルトインストールです。)
他にもこんなポストしてみましたので、よろしければどうぞ・・・
vCenter 5.1 入門 その1 (構成コンポーネントの変更点について)
vCenter 5.1 入門 その3 (vCenter SSO のポイント)
vCenter 5.1 入門 その4 (ADユーザ認証について)
以上、vCenter 5.1 の Simple Install 例でした。