最近、vCenter Operations Manager(VCOPS)を使ってみたので紹介してみます。
VCOPS とは、VMware vSphere 環境のパフォーマンス監視ツールです。
「vCenter ~」 という名前の通り、基本的に vCenter から性能情報を取得します。
そのため、無償版 ESXi の環境では使えません。
ただし、無償版 ESXi 上の ネステッド ESXi で環境構築することはできます。
※ネスト環境の場合も、結構ハイスペックな物理マシンが必要です。
VCOPS では、複数の vCenter から情報収集して、まとめて分析することができます。
また、vCenter のバージョンはそれぞれ異なっていても VCOPS に登録できます。
たとえば、VCOPS 5.8 に 2台のvCenter(vCenter 5.1 U1 と vCenter 5.5)を登録すると
下記のように見えます。(といいつつ vCenter の表示名は手入力ですが・・・)
対応する vCenter のバージョンは、VCOPS のバージョンによって変わるはずです。
vCenter が定常的に取集している性能情報などを
分析用の VM(Analytics VM)が収集し、
Web 画面(UI VM による)で見やすく表示して分析することができます。
VCOPS では、パフォーマンス監視での閾値を自動修正したり、
仮想化基盤の普段の状態をもとに
異常な状態を検知したりできることになっています。
VCOPS の仕組み
VCOPS は、OS へのインストーラではなく、vApp として提供されています。
そのためセットアップは割と簡単で、ただ動かすだけなら2ステップくらいです。
ただし、VCOPS の vApp デプロイ先は DRS クラスタである必要があります。
- vApp(OVFテンプレート)のデプロイ
- VCOPS の設定(情報収集対象の vCenter を登録)
VCOPS の vApp は2つの VM で構成されています。
どちらの VM も、OS は SUSE Linux です。
UI VM (結果表示&VCOPS 設定)
- VCOPS を設定変更するための Web 画面を提供する。
- Analytics VM の分析結果を表示のための Web 画面を提供する。
Analytics VM (収集&分析)
- vCenter から情報収集する。
- 収集した情報を分析する。
VCOPS では、下記のようなイメージで、vCenter の収集している情報を分析~表示しています。
ちなみに、VCOPS の vApp は、
情報収集対象の vCenter が管理している ESXi で稼働していても大丈夫です。
- Analytics VM が、VCが定常的に取集していう情報を収集する。
- その結果を Analytics VM が分析。
- 分析結果は、UI VM が表示する。
UI VM が Web サーバになっていて、
Web ブラウザからアクセスしたときに表示される分析結果は、
下記のような UI で表示されます。vCenter の Web Client と似た空気の UI です。
VCOPS を構成する VM は、それぞれ下記の TCP ポートで通信しています。
UI VM は、VCOPS の設定管理をする 「vCenter Operations Manager 管理」 と
分析結果を表示する 「vCenter Operations Manager vSphere UI」 をもちますが、
どちらも普通のHTTPS(TCP443番ポート)で Web ブラウザからアクセスできます。
ちなみに、Analytics VM と UI VM の間では VPN を張って
SSH で情報をやり取りしているようです。
デプロイした vApp を見てみる
vSphere Client で、VCOPS を構成する vApp を見てみます。
(Web Client の方がよかったかもしれませんが・・・見やすかったので)
下記のように、2つの VM で VCOPS の vApp が構成されています。
VCOPS の VM は結構大容量で作成されていますが、
ちょっと試すだけなら、Thin プロビジョニングでデプロイすれば
そこまでディスク容量をとらずに動作させることができます。
※下記は、VCOPS をセットアップしてからあまり時間がたっていない状態です。(1日くらい?)
VCOPS の VM を起動するときは、vApp 自体を起動します。
Analytics VM → UI VM の順で起動するように vApp が構成されています。
VCOPS の紹介は概念的な説明が多い気がするので、
ちょっとインフラよりの視点で紹介してみました。
以上、VCOPS についてでした。