今回は、vSphere AppHA のアプリケーション監視と
アプリケーション監視の設定についてです。
AppHA は vCenter Hyperic と連携して動作しています。
それぞれの役割分担は、下記のような感じです。
- 保護対象アプリケーションの障害をどう検知するかは、Hyperic 側で設定します。
- アプリケーションで障害があった時に、どう復旧するかは、WebClient の AppHA ポリシーで設定します。
AppHA アプリケーション保護までの流れ
AppHA で保護する場合、ゲスト OS には VMware Tools とあわせて
Hyperic のエージェント(HQ Agent)を導入します。
Hyperic は、ゲスト OS の HQ Agent によって監視情報を取得します。
Hyperic が対応しているアプリは自動検出されるので、Hyperic の Web UI で
それを監視リソースとして登録したうえで、監視のための設定をします。
※監視対象のアプリが一般的な構成であれば、設定変更が不要なこともあります。
Hyperic が監視リソース登録したアプリのうち、AppHA が対応しているものが
自動検出されて Web Client の AppHA の「アプリケーションの可用性」画面に表示されます。
AppHA では、この保護対象になりうるアプリに対して
アプリ保護設定を「ポリシー」として割り当てます。
絵にすると、下記のような感じです。
たとえば、Apache httpd Server を AppHA で保護するときに、
監視対象の httpd のインストールディレクトリや、
IP アドレス、ポート名などは Hyperic 側で設定します。
その httpd プロセスが障害で停止したときに、どう保護(復旧)するか
(プロセス再起動して何分待ってだめだったら VM をリセットしてしまうか、など)
の設定は AppHA が担当するイメージです。
この AppHA 側での保護設定が AppHA ポリシーで設定されます。
AppHA のポリシーは、1つのポリシーを複数の(同種の)アプリに割り当てることもできます。
Hyperic での監視リソース設定の表示/確認
Hyperic 側で、アプリの監視設定の確認・変更は下記のような手順になります。
今回は、すでに Hyperic で監視設定済みの Apache httpd Server の監視設定を見てみます。
Hyperic の Web UI で作業します。
「Resources」タブを開きます。
ちなみに「Resources」→「Browse」でも同じ画面が開きます。
「Servers」をクリックして、「Apache httpd」を選択して、
緑色の三角ボタンをクリックします。
Apache httpd の監視リソースだけが表示されるようになるので、
設定を確認 / 変更したいリソースのリンクをクリックします。
監視リソース個別の画面が表示されます。
画面の上の方に、どのリソースについての画面かが表示されています。
設定は「Inventory」タブで確認できます。
※他にも、Hyperic では色々な画面遷移で同じところにたどりつけます。
各セクションの「Edit」ボタンで設定変更ができます。
画面の一番下に「Configuration Properties」というセクションがあり、
そこの「Edit」をクリックすると、監視設定を変更できます。
このように設定変更できる画面が開きます。
設定を変更する場合は、この画面の下の方にある「OK」ボタンをクリックします。
また、監視リソースの設定については、この画面の最後に説明があります。
httpd の場合は、監視に mod_status を利用することなどが書かれています。
AppHA からの監視リソース設定
監視設定は、基本的に Hyperic が担当していますが、
一般的にアプリごと(ゲスト OS ごと)で個別に設定変更が必要になりそうな監視設定は、
ある程度 Web Client での AppHA のポリシー設定でも設定できるようになっています。
AppHA ポリシーで設定した監視設定は、前述の Hyperic 側の監視設定にも反映されます。
AppHA ポリシーで設定できる監視設定はアプリによって異なります。
たとえば、AppHA 1.1 の Apache httpd 用の AppHA ポリシーで
設定できるものは下記です。(項目名は UI に書いてあるままです)
- ホスト名
- ソケット タイムアウト(秒)
- ポート
- パス
- サービス名(Windows)
- PID ファイル(Linux)
- プログラム パスの制御(Linux)
アプリ保護のための設定を楽にするため
Hyperic の設定を AppHA 側の設定画面でもできるように
したのではないかと思われます。
AppHA 環境の構築については、こちらからどうぞ・・・
vSphere AppHA への道。Part 1. Hyperic の vApp デプロイ
以上、AppHA のアプリケーション監視、保護設定についてでした。