NSX-T のネステッド ESXi 環境を利用したラボを構築してみます。
NSX Manager 初回ログイン後の、トランスポート ノードの作成について紹介します。
トランスポート ノードとは、NSX-T 独自の仮想スイッチ「N-VDS」が構成されるノードです。
NSX-T のトランスポート ノードには、ESXi ホストと NSX Edge の 2種類がありますが、
ここでセットアップするのは、ESXi の「ホスト トランスポート ノード」です。
前回はこちら。
自宅ラボで NSX-T 2.4 環境を構築する。Part.4
今回の NSX Manager でのセットアップでは、
N-VDS を使用する ESXi に NSX-T のコンポーネントをインストールします。
そのため、事前に vCenter では下記の準備をしておきます。
- オーバーレイ ネットワークを構成するホストのクラスタ作成
- NSX-T コンポーネントのインストールは、クラスタ単位になります。
- ESXi ホストの vCenter とクラスタへの登録
NSX Manager への初回ログイン。
NSX Manager の初回ログインの画面です。
「はじめに」で、vCenter との登録から ESXi をトランスポート ノードとしてセットアップするまでの手順を、流れに沿ってすすめらられます。
これ以降の手順を個別に実施することもできますが、今回は「はじめに」から手順をすすめます。
「トランスポート ノードのセットアップ」を進めます。
vCenter Server の登録。
「コンピュート マネージャの追加」で、vCenter を登録します。
事前に準備してある vCenter の、アドレスや接続情報を入力します。
このとき SSL 証明書のサムプリントを空欄ですすめると、
vCenter 実機のサムプリントで問題ないか確認画面が表示されます。
ESXi への NSX-T コンポーネントのインストール。
vCenter を登録すると、トランスポート ノードにする ESXi のクラスタを選択できます。
選択したクラスタに NSX-T のコンポーネントをインストールしてよいか確認メッセージが表示されます。
しばらく待つと、ESXi ホストが「NSX インストール済み」となります。
画面更新に時間がかかることがありますが、インストール進行中でも
あえて「前へ」「次へ」ボタンをクリックしてみると、インストール完了していることがあります。
オーバーレイ トランスポート ゾーンとオーバーレイ N-VDS の作成。
「オーバーレイ トランスポート ゾーンの作成」をすすめます。
「オーバーレイ トランスポート ゾーンの作成」で、
トランスポート ゾーンの名前と、N-VDS(オーバーレイ N-VDS)の名前を入力し、作成します。
アップリンク プロファイルの作成と指定。
オーバーレイ N-VDS の「アップリンク プロファイルの作成」をします。
今回の構成では、オーバーレイ ネットワークのトンネル エンドポイント(TEP)で VLAN ID を設定するので、
アップリンク プロファイルの新規作成が必要です。
今回のようにウィザード形式でトランスポート ノードをセットアップしない場合は、
あらかじめアップリンク プロフィルを作成しておきます。
アップリンク プロファイルは、名前と・・・
チーミング設定、トランスポート VLAN(TEP となる vmk ポートに設定する VLAN ID)、MTU を設定します。
チーミングの「アクティブ アップリンク」と「スタンバイ アップリンク」に入力する名前は、
あとで ESXi の物理 NIC(vmnic)を紐づけるために利用します。
作成したアップリンク プロファイルを指定して、次のステップで TEP の IP アドレスと、物理 NIC の割り当てをします。
オーバーレイ N-VDS の TEP アドレス/物理 NIC の指定。
ESXi は、オーバーレイ トランスポート ゾーンを、オーバーレイ N-VDS で構成します。
ここでは、N-VDS のトンネル エンドポイントとなる TEP の IP アドレスと、
オーバーレイ ネットワークの物理経路となる、物理 NIC を割り当てます。
IP アドレスの割り当てには、DHCP(デフォルト)か IP アドレス プールが利用できます。
IP アドレス プールを使用する場合、IP アドレス プールは、この画面から作成できます。
IP アドレス プールには、名前、IP アドレス範囲、ネットワーク アドレス(CIDR)が必須です。
TEP が複数の L3 ネットワークで構成される場合は、ゲートウェイも入力します。
作成した IP アドレス プールを指定します。
そして ESXi の物理 NIC に対して、先ほど作成したアップリンク プロファイル名で指定した
アップリンクの名前を割り当てます。
ちなみに、ESXi で未使用(仮想スイッチに未割り当て)の物理 NIC が 3つ以上ある場合は、
さらに vmnic3 以降も表示されます。その際は、使用する物理 NIC だけにアップリンク名を指定します。
ESXi へのトランスポート ノードのセットアップを終了します。
オーバーレイ トランスポート ゾーンと N-VDS の確認。
「システム」→「ファブリック」→「トランスポート ゾーン」で、
作成されたトランスポート ゾーンが確認できます。
vSphere Client では、ESXi に N-VDS が作成され、物理 NIC が接続されたことがわかります。
トランスポート ノードのアップリンク設定の変更。
ここまでで設定したオーバーレイ N-VDS の設定変更をしたい場合には、
vSphere Client ではなく、NSX Manager で、
トランスポート ノードのアップリンク ポリシーを設定変更します。
アップリンク ポリシーの設定変更。
「システム」→「ファブリック」→「プロファイル」→「アップリンク プロファイル」にて、
対象のプロファイルを選択して「編集」から設定変更します。
ESXi へのアップリンク ポリシーの指定、物理 NIC 割り当ての変更。
「システム」→「ファブリック」→「ノード」→「ホスト トランスポート ノード」にて、
管理元で vCenter の名前を選択します。
そして、対象のノードを選択して「管理」→「編集」から設定変更します。
つづく…