NSX-T のネステッド ESXi 環境を利用したラボを構築してみます。
今回は、オーバーレイ ネットワーク同士の分散ルーティングをする、Tier-1 論理ルータを追加します。
前回はこちら。
自宅ラボで NSX-T 2.4 環境を構築する。Part.8
下記の構成イメージの、赤枠の部分が、今回の対象です。
同じ論理スイッチに接続した VM は、論理スイッチの機能により L2 通信が可能となり、
Tier-1 ルータ ポートを作成することで、L3 通信が可能になります。
※ただし VM のゲスト OS でのルーティング(デフォルトゲートウェイ/スタティックルート)設定は必要です。
T1 ルータの作成。
Tier-1 の論理ルータは、NSX Manager の
「システム」→「ファブリック」→「ルーター」→「ルーター」画面の、
「追加」→「Tier-1 ルーター」から実施します。
Tier-1 ルータの、名前、接続する Tier-0 ルータ、Edge クラスタ、Edge クラスタ メンバー
(Edge トランスポート ノード)を指定して、「追加」します。
オーバーレイ 論理スイッチの作成。
Tier-1 ルータのダウンリンク ポートに接続する、オーバーレイ 論理スイッチを作成します。
オーバーレイ 論理スイッチも、VLAN 論理スイッチと同様に NSX Manager の
「システム」→「ファブリック」→「スイッチング」→「スイッチ」画面の、「追加」から実施します。
作成する論理スイッチの、名前と、オーバーレイ トランスポート ノードを指定して、「追加」します。
トラフィック タイプが「オーバーレイ」の論理スイッチが作成されました。
オーバーレイ 論理スイッチは、実はオーバーレイ トランスポート ゾーンを作成した時点で、L2 スイッチとして作成/利用可能でした。
ただし、オーバーレイ 論理スイッチのネットワーク同士でルーティングするには、
ゲートウェイとして Tier-1 ルータ ポートを作成することになります。
T1 ルータ ポートの作成。
「システム」→「ファブリック」→「ルーター」→「ルーター」画面で、
作成された Tier-1 ルータの「設定」→「ルーター ポート」を開き、「追加」をクリックします。
ルータ ポートの、名前と、接続する論理スイッチを指定します。
タイプは「ダウンリンク」にしておきます。
論理スイッチ ポートの設定は、デフォルトのままで大丈夫です。
論理ルータでポートを作成すると、対応する論理スイッチ ポートもセットで作成されます。
画面をスクロールし、サブネットを「追加」します。
論理スイッチのゲートウェイとなる、IP アドレスとプリフィックス長
(サブネットマスクのビット数)を入力して、論理スイッチを「追加」します。
論理ルータのダウンリンク ポートが、作成されました。
このように、T1 ルータにポートを作成したオーバーレイ 論理スイッチ同士では、
分散ルーティングができるようになります。
※ゲスト OS でのデフォルト ゲートウェイは、T1 ルータ ポートの IP アドレスに設定します。
論理スイッチの VM への割り当て。
NSX-T の論理スイッチは ESXi でも利用できるようになっており、
vSphere Client から通常のポートグループと同様に選択/vNIC への割り当てができるようになっています。
あと少し続く。