今月は1日1回くらい、さまざまな ネステッド vSAN 6.7 U1 を構成してみています。
一連の投稿へのリンクは下記をどうぞ。
昨日はこちら。
ネステッド vSAN 6.7 U1 を楽しむ。2018-12-19
20日目は、vSAN の iSCSI ターゲット サービスを有効にして Linux サーバから接続してみます。
vSAN-Cluster-20181220 クラスタ
- ESXi は 4ノード
- ハイブリッド ディスクグループ
- iSCSI ターゲット サービスを有効化。
iSCSI ターゲット サービスは、vSAN クラスタ単位で有効にします。
Using the vSAN iSCSI Target Service
vSAN クラスタでの iSCSI ターゲット / LUN の様子。
vSAN クラスタで、iSCSI ターゲット サービスが有効になっています。
本番利用であれば VMkernel ポート を iSCSI むけに追加すると思いますが、
今回は管理ネットワークの vmk0 を共用しています。
iSCSI ターゲットによる LUN は、vSAN データストア外部の物理マシンからの利用が想定されています。
(vSAN 上にある VM のゲスト OS がもつ iSCSI イニシエータからでも接続は可能です)
今回のネスト環境では、LUN を利用する Linux VM をネストの外側の物理 ESXi で稼働させ、
物理マシンからの iSCSI 接続に似せたネットワーク経路にしています。
今回の iSCSI クライアントになる VM「vm01-ext」の IP アドレスは「192.168.1.151」にしました。
ターゲットに接続する iSCSI イニシエータは、このアドレスです。
下記のようなターゲット / LUN を構成しました。
- LUN として 10GB のディスクを 1つ作成しています。
- 接続許可する iSCSI イニシエータを制限しています。
iSCSI の LUN も、vSAN の仮想ディスク オブジェクトとして作成されます。
そしてコンポーネントも、仮想マシン ストレージポリシーにしたがって VM の仮想ディスクと同様に分散されます。
iSCSI イニシエータ側(クライアントとなる Linux OS)の様子。
今回は、Oracle Linux から iSCSI 接続しています。
vSAN の iSCSI ターゲットに登録していたイニシエータ iqn がこのサーバに設定されています。
[root@vm01-ext ~]# cat /etc/oracle-release
Oracle Linux Server release 7.5
[root@vm01-ext ~]# cat /etc/iscsi/initiatorname.iscsi
InitiatorName=iqn.1988-12.com.oracle:vm01-ext
Linux(192.168.1.151)から、vSAN ノードの 1台(192.168.1.32)に iSCSI で接続しています。
[root@vm01-ext ~]# netstat -na | grep :3260
tcp 0 0 192.168.1.151:60596 192.168.1.32:3260 ESTABLISHED
[root@vm01-ext ~]# ls -l /dev/disk/by-path/*iscsi*
lrwxrwxrwx. 1 root root 9 12月 20 23:40 /dev/disk/by-path/ip-192.168.1.32:3260-iscsi-iqn.1998-01.com.vmware.5271c93bf9783708-3aeec78f1c34de4e-lun-0 -> ../../sdb
接続先ノードが「192.168.1.32」になっているのは、
イニシエータ側での iSCSI 接続コマンド実行時にアドレスを指定したためです。
[root@vm01-ext ~]# iscsiadm -m discovery -t sendtargets -p 192.168.1.32
[root@vm01-ext ~]# iscsiadm -m node -p 192.168.1.32 --login
iSCSI LUN によるデバイスである /dev/sdb は、
「VMware Virtual SAN」によるものだとわかります。
[root@vm01-ext ~]# lsscsi
[0:0:0:0] disk VMware Virtual disk 2.0 /dev/sda
[1:0:0:0] cd/dvd NECVMWar VMware SATA CD00 1.00 /dev/sr0
[33:0:0:0] disk VMware Virtual SAN 0001 /dev/sdb
このデバイスは、iSCSI Target で作成したとおり 10GB です。
[root@vm01-ext ~]# lsblk /dev/sdb
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sdb 8:16 0 10G 0 disk
今回はシングル パスでの接続ですが、
マルチパスで複数の vSAN ノードに接続することもできます。
その場合は Linux 側でもマルチパス ドライバ(dm-multipath)などを利用することになるはずです。
つづく。