NSX-T による DHCP サービス機能では、一般的な DHCP サーバと同様に
MAC アドレスと IP アドレスの静的な割り当て(static-bindings)が可能です。
ドキュメントだと、下記のあたりに説明がありますが、
あまり詳しくは触れられていないため、設定の様子を残しておこうと思います。
環境の説明。
設定は、以前に紹介した環境を利用しています。
そして、設定対象の NSX-T の DHCP サーバは、下記のように作成しています。
自宅ラボで NSX-T 2.4 環境を構築する。Part.10
設定対象の(VM の)MAC アドレスは、vSphere Client からだけではなく、
NSX Manager からでも確認できます。
「ネットワークとセキュリティの詳細設定」→「インベントリ」→「仮想マシン」を開くと、
VM と、その vNIC の MAC アドレスを確認することができます。
今回の ゲスト OS(DHCP クライアント)は、Oracle Linux 7 です。
また、この時点ではホスト名をあらわす「コンピュータ名」が「localhost.localdomain」になっています。
※サマリにある「名前」は、ゲスト OS のホスト名ではなく、仮想マシン名です。
DHCP サーバ への IP アドレスの「静的割り当て」設定追加。
今回は、NSX の Manager で設定します。
「ネットワークとセキュリティの詳細設定」→「ネットワーク」→「DHCP」→「サーバ」を開きます。
DHCP サーバ「dhcp-sv-001」を作成ずみです。
サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS サーバといった DHCP オプションは、
DHCP サーバで設定してあるので、静的割り当てでは、IP アドレスとホスト名を設定してみます。
「静的割り当て」にある「追加」をクリックします。
静的割り当ての設定を入力して、「追加」ボタンをクリックします。
今回は、下記だけ追加入力しています。
- IP アドレス: DHCP サービスで割り当てる IP アドレス。
- MAC アドレス: 先ほど確認した vm01 のもの。
- ホスト名: VM のゲスト OS に、DHCP で割り当てるホスト名。
ちなみに、赤い「*」印のあるもの(IP アドレスと MAC アドレス)が必須項目です。
静的割り当ての設定が追加されました。
GUI からの操作では、表示名が MAC アドレスになります。
DHCP によるアドレス設定の確認。
DHCP クライアントとなる VM では、指定した MAC アドレスを持つ vNIC のポートグループとして、
DHCP サーバを接続してある NSX-T 論理スイッチ(今回は ls-nsxt-001)を割り当てます。
※これは NSX Manager ではなく vSphere Client で設定します。
ゲスト OS では、DHCP クライアントによるネットワーク設定のタイミングで、
静的割り当て設定した IP アドレスとホスト名が反映されるはずです。
Oracle Linux 7 では、Red Hat Enterprise Linux 7 や CentOS 7 と同様に
ネットワーク設定で NetworkManager が利用されています。
たとえば VM コンソールなどからアクセスして、
下記のように journalctl コマンドなどで NetworkManager のログから
DHCP によるネットワーク設定の様子を確認することができます。
NSX Manager のインベントリでも、
vm01 の IP アドレスとホスト名が変更されたことが確認できます。
この機能を利用することで、VM デプロイ時などに
IP アドレスを制御しやすくなりそうかなと思います。
つづくつもり・・・