Embedded VCSAの構成変更とUpgrade
VxRail 環境では、構成変更や設定変更が一部制限されています。
VxRailのデザインになっている構成や設定を変更してしまうと、VxRailが想定通りに動作しない可能性があります。
また、Upgradeや交換作業などによって、変更した設定がデフォルトに戻ってしまうかもしれません。
VxRailに同梱されるVCSA/PSCの構成情報を変更した場合はどうなるのでしょうか。
VxRailのEmbedded VCSAは、デフォルトでSmallサイズとして構成されます。
VxRailでは最大でも64ホストなので、このサイズで足りる想定なのでしょうが、仮想マシンがとても多い環境など、場合によってはメモリを増やしたり、Diskを拡張したりしたい場合もあるかもしれません。
試しにEmbedded VCSA/PSCのCPU/Memory/Diskを変更して、Major Upgrade後に変更が維持されるかどうかを確認してみました。
今回のテストでは4.5.314 から 4.7.212への Upgradeで試しました。
事前の予想
VxRail 4.5.314 はvSphere 6.5系、VxRail 4.7.212はvSphere 6.7系なので、Upgradeに際して新しいVCSA/PSC VMが作成され、既存のVCSA/PSCからデータがMigrationされます。
なので、Upgrade前に変更した仮想ハードウェア情報は維持されないと予想しました。
構成変更なしでUpgradeをしてみた
まずは構成変更をせずに、vCenter 6.5 → 6.7へのUpgradeをしてみて、ログや証明書などが維持されるかどうか確認してみました。
結果は以下です。※PSCも同様なので割愛
維持されるもの
- SSL証明書
- タスク履歴
- イベント履歴
維持されないもの
- Host key fingerprint (SSH接続時に更新が必要)
- ログ(/var/log/配下など)
構成変更してUpgradeをしてみた
次に仮想ハードウェアを構成変更して、変更が維持されるか確認しました。
※PSCも同様なので割愛
初期状態
Upgrade前の状態は以下です
デフォルトのままなので、vCPUは4、メモリは16GB、Diskサイズもすべてデフォルトです。
変更内容
以下の構成変更をしました。
- vCPUを4 → 8
- メモリを16GB → 32 GB
- /storage/log (ハードディスク5) を 10GB → 20 GB
変更後の構成は以下です。
Upgrade後
Upgrade(Migration)後の構成は以下でした
結果は私の事前の予想と反し、CPUとメモリの変更は維持され、Diskサイズの変更はデフォルトに戻りました。
まとめ
今回のテストでは事前の予想とは異なる結果となりましたが、CPUとメモリの変更が維持されるのは安心できますね。
Diskについてはデフォルトに戻ってしまうので、/storage/logではなくDBのボリュームが拡張されていた場合にどうなるのかは気になります。
その他、パスワードの有効期限設定なども確認し忘れてしまったので、今後判明したらUpdateしようと思います。