今年、VMware Integrated OpenStack(VIO)が発表されました。
VMware Integrated OpenStack (Beta)
http://www.vmware.com/products/openstack
しかし、それ以前から、OpenStack + vSphere を検証 / 勉強するための
vSphere OpenStack Virtual Appliance (VOVA)というのが存在します。
VMTN の OpenStack コミュニティのページはこちら。
デプロイのマニュアルはこちら。
https://communities.vmware.com/docs/DOC-24626
今回は、その VOVA をデプロイしてみます。
VOVA というのは、OpenStack のコンポーネントが
まとめてインストールされている VM です。
OVA ファイルをデプロイするだけで、OpenStack 環境が構築でき、
OpenStack から vSphere 環境を制御するとどのように見えるのか
といったことを確認できます。
ただし、VOVA は PoC 目的のものなので、
このまま本番環境として使用することは、想定されていません。
※どうしても本気でやりたい場合は VIO のベータプログラムに参加・・・
環境
- vSphere 5.5 U1 です。
- VOVA は、Icehouse 版(VOVA_ICEHOUSE.ova)を使用します。
http://partnerweb.vmware.com/programs/vmdkimage/vova/VOVA_ICEHOUSE.ova
デプロイ
vSphere 環境は、以下の準備をしておきます。
- DRS クラスタを作成しておく。
- 「br100」というポートグループを作成。
- ESXiのファイアウォールで gdbserver を解放しておく。
今回は、Web Client から OVA ファイルをデプロイします。
vCenter インベントリの、デプロイ先を右クリックして
「OVF テンプレートのデプロイ」を選択します。
VOVA の OVA ファイルを選択します。
確認画面です。
Thin プロビジョニングなら、6GB くらい、Thick なら、40GB 必要です。
VOVA の名前(デフォルトでは VOVA)と、デプロイ先(DC / フォルダ・・・)を指定します。
VOVA デプロイ先となる クラスタ / フォルダ等は、
OpenStack 環境として VOVA が管理する場所とは別でもかまいません。
OpenStack 環境として管理する場所は、後の方で指定します。
(今回は別にしています。)
VOVA をデプロイするデータストアを指定します。
これも、OpenStack として管理するストレージの指定ではありません。
OpenStack 環境として管理するデータストアは、後の方で指定します。
VOVA の VM を接続するポートグループを指定します。
- 「Mgmt Network」
VOVA の OpenStack Dashboard(OpenStack の Horizon)に
接続したりするネットワークになります。
ポートグループ名は「VM Network」でなくても OK です。 - 「br100」
OpenStack で起動するインスタンス(VM)の接続するネットワークと同じ
ポートグループを指定します。
ポートグループ名は「br100」にしておいた方がよいです。
これらのポートグループは、ここで指定する前に作成しておきます。
また、vSS / vDS どちらに作成しても大丈夫です。
VOVA の設定を入力します。
「VMware Driver Configuration」というのが、OpenStack 向けの設定です。
- vCenter のアドレス
OpenStack は、vSphere 環境を操作するとき、必ず vCenter を経由します。 - VOVA から vCenter に接続するユーザ / パスワード
今回は事前に、vovauser@vmad.local というユーザを作成しました。
簡易的に試すなら、administrator@vsphere.local や root ユーザ等でよいと思います。 - OpenStack 管理下にするデータセンタ名
- OpenStack 管理下にするクラスタ名
- OpenStack 管理下にするエータストア名
ちなみに、VOVA ~ vCenter の接続ユーザについてですが、
ADドメインユーザを使用する場合は
「ドメイン\ユーザ名」だと、なぜかユーザ名が化けてしまうようなので
「ユーザ名@ドメイン」としたほうがよいようです。
このページの下の方にある「Network Properties」には、
VOVA のネットワーク設定(「Mgmt Network」のもの)を入力します。
- デフォルトゲートウェイ
- 参照する DNS サーバ
- IP アドレス
- サブネットマスク
確認画面です。
少し待つと、OVA ファイルのデプロイが終わります。
VOVA を起動する前に、仮想マシンのバージョンを
7 から 10 にバージョンアップしておきます。
確認・・・
「ESXi 5.5 以降」を選択します。(デフォルト)
VOVA をパワーオンします。
VOVA を Web Client のコンソールで見ると、
このようになっています。
OpenStack の ダッシュボードの URL と、
VOVA 自身の 管理用 Web UI の URL が表示されています。
OpenStack のダッシュボードへのアクセス
VOVA での OpneStack 管理は、
vSphere Web Client からではなく、OpenStack のダッシュボードから行います。
(VIO では変わるのかもしれませんが・・・)
OpenStack Dashboard の URL は、下記のようになります。
http://<VOVA のアドレス>/
OpenStack の ダッシュボードにアクセスすると、
OpenStack Dashboard(VMware ではない Horizon・・・)の画面が表示されます。
demo ユーザや、admin ユーザが用意されています。
demo ユーザでログインしてみると、こんな感じです。
今回は、VOVA のデプロイについてでした。つづく・・・