今月は1日1回くらい、さまざまな ネステッド vSAN 6.7 U1 を構成してみています。
昨日はこちら。
ネステッド vSAN 6.7 U1 を楽しむ。2018-12-07
8日目は、1日目に近い構成の vSAN ですが、キャパシティ層 HDD の容量に注目してみます。
vSAN-Cluster-20181208 クラスタ
- ESXi 4ノード
- ハイブリッド(SSD + HDD)ディスクグループ
- キャパシティ層 の HDD は 200GB
- ディスクグループは各ノードで 1つずつ
- 重複排除・圧縮 は無効のまま
- フォールト ドメインはデフォルト構成のまま
- vCenter は vSAN 外部に配置
下記のように、キャパシティ層を 200GB の HDD にしています。
実は vSAN には、仮想ディスクのコンポーネントごとの最大容量が設定されています。
これは ESXi ごとのパラメータ「VSAN.ClomMaxComponentSizeGB」で、
デフォルトでは 255GB です。
このパラメータについては、下記の KB でも案内されています。
vSAN に小容量の磁気ディスクを使用すると仮想マシン障害が発生する場合がある (2080503)
https://kb.vmware.com/s/article/2080503
https://kb.vmware.com/s/article/2080503?lang=ja(日本語)
VSAN.ClomMaxComponentSizeGB は、上記の vSphere Client 画面で
設定変更をすることができますが、ここからは
PowerCLI でこのパラメータの設定、設定確認をしてみます。
今回利用するバージョンは、PowerCLI 11 ですが、
古いバージョンの PowerCLI でも同様の操作が可能なはずです。
また、PowerCLI では、vCenter に接続ずみです。
vSAN クラスタには、4 ノードの ESXi ホストが接続されています。
PowerCLI> Get-Cluster vSAN-Cluster-20181208 | Get-VMHost | Sort-Object Name | ft -AutoSize Name,Version,ConnectionState
Name Version ConnectionState
---- ------- ---------------
192.168.1.31 6.7.0 Connected
192.168.1.32 6.7.0 Connected
192.168.1.33 6.7.0 Connected
192.168.1.34 6.7.0 Connected
デフォルトでは255 GB になっています。
PowerCLI> Get-Cluster vSAN-Cluster-20181208 | Get-VMHost | Sort-Object Name | Get-AdvancedSetting -Name VSAN.ClomMaxComponentSizeGB | select Entity,Name,Value
Entity Name Value
------ ---- -----
192.168.1.31 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
192.168.1.32 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
192.168.1.33 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
192.168.1.34 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
下記のようにパラメータを変更できます。
PowerCLI> Get-VMHost 192.168.1.31 | Get-AdvancedSetting -Name VSAN.ClomMaxComponentSizeGB | Set-AdvancedSetting -Value 180 -Confirm:$false
PowerCLI> Get-Cluster vSAN-Cluster-20181208 | Get-VMHost | Sort-Object Name | Get-AdvancedSetting -Name VSAN.ClomMaxComponentSizeGB | select Entity,Name,Value
Entity Name Value
------ ---- -----
192.168.1.31 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 180
192.168.1.32 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
192.168.1.33 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
192.168.1.34 VSAN.ClomMaxComponentSizeGB 255
また、下記のように複数の ESXi のパラメータをまとめて変更することもできます。
PowerCLI> Get-Cluster vSAN-Cluster-20181208 | Get-VMHost | Get-AdvancedSetting -Name VSAN.ClomMaxComponentSizeGB | Set-AdvancedSetting -Value 180 -Confirm:$false
Name Value Type Description
---- ----- ---- -----------
VSAN.ClomMaxCompo... 180 VMHost
VSAN.ClomMaxCompo... 180 VMHost
VSAN.ClomMaxCompo... 180 VMHost
VSAN.ClomMaxCompo... 180 VMHost
ただしこのパラメータは最小値が 180GB で、
179GB 以下を設定しようとするとエラーになってしまいます。
[root@esxi-01:~] vmware -vl
VMware ESXi 6.7.0 build-10302608
VMware ESXi 6.7.0 Update 1
[root@esxi-01:~] esxcli system settings advanced list -o /VSAN/ClomMaxComponentSizeGB
Path: /VSAN/ClomMaxComponentSizeGB
Type: integer
Int Value: 180
Default Int Value: 255
Min Value: 180
Max Value: 255
String Value:
Default String Value:
Valid Characters:
Description: Maximum component size used for new placements
キャパシティ層で 255GB がおさまらない小容量のディスクを利用することは
本番環境での vSAN では殆どないと思いますが、ネスト環境では
小容量の VMDK をキャパシティ層として構成することがあります。
検証などでコンポーネントが意図した配置にならないことがあったら、
このパラメータを調整してみるとよいかもしれません。
ちなみに私がネステッド vSAN を利用する場合は、
あまり大容量ではない VM を利用したり、
ネストの外側の VMDK をシン プロビジョニングで大きめに用意したり
といったことが多く、あまりこのパラメータの変更をしていません・・・
つづく。